以前から気になっていた作品、アニメの「約束のネバーランド」を見てみました。
私なりの解釈と感想をここに書き残します。
一部ネタバレなどがあることをご了承の上で、読み進めて下さい。
まだ見ていない、内容を知りたくないといった方は、ここで引き返すことをおススメします。
また、作品を鑑賞後に、思い出していただけることがあれば、再度訪問して頂けると嬉しい限りです。
作画も綺麗で素敵なタイトル
本編は12話で完結というところに、どうしてもひかれてしまう「約束のネバーランド」です。
やっぱり、アニメは快適に見ていられることが重要だったります。
単純に、不快感なく、見飽きることなく、見ることが義務のように感じないってことですかね。
それでは、ネタバレを含む感想へといきましょう。
アニメ「約束のネバーランド」は素晴らしい!
先に、作品全般の感想として、全てが素晴らしい完成度だなと感じました。
作画に不快感はなく、それぞれのキャラクターも、個性が強すぎず弱すぎず。
舞台設定やストーリー展開など、モヤっとするところはひとつもなく話が進み続けます。
後半ではもう駆け抜けるように連続して見てしまいます。
そして、12話できっちりと完結し、余計なものは残さずに終わっていきます。
伝えたいことがしっかりと短い中に組み込まれていて、表現はそれ以上でもそれ以下でもないといった感じで、とてもスッキリとした作品です。
脚本家などの制作サイドの方も、とても満足して終えたのであろうことも、視聴者側へしっかりと伝わります。
伝えたいことを簡潔に、シンプルに表現したという感じでした。
子供たちの自立
この作品は、まだ学生である子供たちや、そういった子供を育てている親御さんなど、あらゆる境遇に生きている人たち誰もが魅了される物語となっています。
自立することとは一体どういうことなのか?
諦めること、諦めないこと。
道を切り開くこと、受け入れること。
信じること。
何が大切なことで、どう生きて行きたいのか?
また、それに対して大人たちは何をすればいいのか?
とても深いようで、最終的にはとてもシンプルな答えへと辿り着きます。
ラストでは、自立していく子供たちや、それを引っ張っていくエマの姿。
そして、それを見送るママ(イザベラ)の姿が、大きな感動を与えてくれます。
親としての思い
育てる者、守る者として、どうしても子供たちには生きる術を覚えてもらおうと、必死になります。
それ故に、自身の経験を通して、そのように生きるように教え込みます。
ママは、自らが生き延びるために、抵抗すること、運命に抗うことを諦め、受け入れていくことを選択したことから、それをかわいい我が子へと伝えようとします。
しかし、エマは自分の力で道を開き、イザベラの言うことには従わないという選択をとります。
イザベラはずっと「受け容れなさい」とエマに言い続けていますが、最後には「子供の抵抗」というものと向き合うこととなり、自分自身が受け入れることとなり、互いに楽な生き方を選択することができました。
親の思いはあるものの、互いに受け入れていくことの大切さが、このラストに集約されて伝わってきます。
終わりは始まり
幸せだったはずの孤児院が、たったひとつの真実から、恐怖の牢獄へと変わってしまいます。
それでも、諦めずに自分たちの力で道を切り開いた子供たち。
抵抗する子供たちを抑えつけようとしながらも、最後には手放すこと、受け入れること、反抗を許すということが出来たママ。
最終話の旅立ちが、「約束のネバーランド」という作品の物語のラストではありますが、その「終わり」が全ての「始まり」を意味する、とても感動する終わり方となっています。
互いに信じ、認め合い、許し合い、受け入れながら、光を求めて生きて行く。
最後のママ(イザベラ)の思い、「その先に、光があることを祈っています」という言葉が、とても心に響きます。
生きる強さを与えてくれる
「約束のネバーランド」は、作品としての完成度はとても高く仕上がっています。
この物語は、誰もが持っている心の声を、しっかりと映し出してくれるものです。
信じるということが、一体どういうことなのか?
受け容れるのは、一体誰なのか?
いつでも人生は自分自身で決めることが出来ます。
ノーマンという大切な仲間を失ってしまいますが、それでも、ノーマンはいつでも心に生き続けます。
そして、そんな仲間がいたからこそ、エマやレイ、みんなが生きる強さを手にして、道を切り開いていきます。
ママ(イザベラ)でさえも、エマやレイ、ノーマンに教えられ、新たな生き方を選択することとなります。
不安は消えない、怖いかもしれない。
それでも信じて生きて行く。
その感じている恐怖に打ち勝ち、生きたいように生きていけたら、人生はきっと素晴らしいものになるに違いないでしょう。
最後に
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
私自身、子育てや仕事の役職など、様々な経験をしてきました。
もちろん、「受け入れることが大切なんだよ」などと教え、伝え、言葉にし続けてきました。
管理者として、親として、それが愛情の形として必死でした。
イザベラと同じように。
しかし、どんなことにおいても、常に自分であったことを、いつの間にか忘れてしまうものです。
そう。
受け容れていないのは、子供ではない、その相手ではない。
反抗する子供を、言うことを聞かない部下を、思うように動いてくれない他人を受け入れていいなかったのは、私だった。
私自身、ラストのイザベラの心境と同じ思いを何度も経験しました。
反抗期の子供たちは、親の言うことを聞きたくないのなら、それでいいのです。
それが大人になったということの証で、反抗が成長です。
見守る親は、言うことを聞かせようとせずに、手放してあげて、失敗させてあげるのです。
それが、親が子供を認めた瞬間であり、親が本当の意味で大人になった時。
私はそのように感じ、このアニメ「約束のネバーランド」はうまく表現しているように感じました。
ですが、答えがひとつではなく、それぞれの感想や解釈が無限に存在します。
その時の自分の心情、状況、考え方、それまでの経験によって、作品の見え方、感じ方は変化します。
あくまで、私の感想はこういったところでしたが、あなたはどのように感じたでしょうか?
その中に、あなたがあなたへ発する大切なメッセージが隠されていると思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。