電波教師 149時限目「魔法はあるのか?」【感想・ネタバレ注意】

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ビブリオバトルで大学レベルの本を紹介する鑑。
全然面白くない本を全力でオススメ!
鑑のかんがえていることは一体!?

YD鑑の本領発揮!?
それとも・・・。

電波教師とは?

YD=やりたいことしかできないオタク人間=鑑純一郎。
無職でクズのような生活をしていた彼を、妹の純音が強制的に教師にした。

そして彼はいつの間にか伝説の教師となった。
教え子たちの卒業に伴って、行方をくらましていたが、質の悪い教師たちに苦しむ少年を見て、再度立ち上がった!

登場人物

鑑純一郎(かがみじゅんいちろう)
YD=やりたいことしかできない超オタク。
質の悪い教育に苦しむ生徒を見て、再度教師の道へ!!

鑑純音(かがみすずね)
純一郎の妹。
元、銀杏学園生徒。
卒業後も凶暴なまでの兄想いの体育会系女子。

桃園マキナ(ももぞのまきな)
元、私立銀杏学園の生徒会長。
学園を誰よりも愛し、鑑を探していた。

柊暦(ひいらぎこよみ)
学園の理事長。
ただ美しいだけでなく、オプションがついている。

前回までのあらすじ

「S」クラスの担任の座をかけて、古居とビブリオバトルをすることになった鑑。
古居は最初から子供が好む本をプレゼンすることで、生徒を沸かせることに成功した。
そして鑑が生徒にすすめる本は、大学レベルの難しい本。
「全然面白くない本だ」といきなり言い始める鑑・・・。
電波教師 148時限目「『S』の担任

※以下からの内容はネタバレを含みます。

内容・ネタバレ


「もう一度言っとく、この本は全然面白くない」

電波教師鑑

たとえ嘘でも内容の面白さを伝えないといけない場面で突拍子もないことを言い出した鑑。

「この本を読めば1ページ目から睡魔とバトルするハメになる」
「だが・・・」

「この本を読めば誰でも魔法が使えるようになる!」

非常に進んだ科学技術は魔法と区別がつかない。
有名なアーサー.C.クラークの言葉を紹介した。

そして、本の中にある、利用すれば壁をすり抜けられる「トンネル効果」という技術を紹介。
壁や体を形成している素粒子はぶつかり合うと、隙間からすり抜ける性質がある。
それが「トンネル効果」であり、人間の素粒子が全て壁をすり抜ければ壁の向こうへ通り抜けることが可能だ。
と真剣に語る鑑。

しかしそれは、理論上の話で、実際には不可能なのが一般論。
何を言っているのかと感じる古居。


「可能性はもちろん低いがゼロじゃない」

無数にある人間の素粒子の数から考えて、その全てがすり抜ける可能性はゼロに近い。
こんなプレゼンはまともな人間には通用するものか・・・。

子供たちは、鑑の夢のような話に沸いた。
鑑は量子力学を魔法のような話に例え、子供たちの心を掴んだのだ。

バカげたプレゼンだと感じた古居が割って入った。

古居
「だまされるな!」
「そんなの1000兆分のさらに1000兆分の1の確率」

「実質的には不可能な話じゃないか!!」


「確率?」

「この世界、確率がゼロでなければなんでも起こり得る」
「確率論なんて言いだしたら夢が壊れるぜ」

詭弁だと騒ぎ立てる古居だが、バトル中に相手に話しかけるのはルール違反だと忠告をうける。
しかし古居はまだ自信をうしなってはいなかった。

そしてバトルは生徒から二人への質疑応答の時間へ移る。

最初の質問は古居の紹介した「しまにゃんの冒険について。
一番面白い部分はどこですか?という質問。
これに対し古いは

英語が身につく。
これからのグローバル社会、将来英語が必要な職場に就職することもある。
現実を生きる必須スキルとして英語は重要。
幼いうちから身につけておく方がいい。

現実を見て読書もちゃんと役にたつものを選ぶべき。
そうしないと妄想と現実の区別もつかない大人になる。
夢みたいなこと言ってると現実の自分にそのツケが回ってくつ。

それが古居の答え。
さらに質問がつづく。

「先生はさっきのプレゼンで『夢があるからだ』って言ってましたけど。」

古居の答えは
その場合の『夢』とは鑑先生の言った『魔法』のようにできもしないことを夢見てはいけないと言ったんです。

それを聞いた生徒たちは、魔法がない現実に落胆し、面白くなさそうだった。

古居
「確かに確率が低くても『ある』ものは『ある』でしょう」
「しかしそれは『ない』ものは『ない』という証明になる」
「あなたの周りに魔法を使える人はいますか?」
「現実を見なさい」

すると、生徒は鑑に質問した

「先生、魔法はないの?」

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「魔法はあるぜ」

「かつて人間は空なんか飛べないと思われていたが、空を飛ぶことを妄想した人たちがいたから俺たちは空をとぶことができる」
「人型ロボットなんて不可能と言われていたが、作れると妄想した人たちがいたからそのうち人造人間も作れる」

電波教師

「妄想と現実の区別をつけてるようじゃ、『魔法』なんて使えねーんだよ」

現実を生きるスキルを主張する古居のプレゼンのほうがバカバカしいという鑑。
そしてなぜか本のページを破って食べ始めた。

「先生・・・それおいしいの?」

「うまくねえ」

「じゃ、なんでそんなこと」

「普通じゃないものが欲しけりゃ普通じゃないことをやれ」
「例えばこんなクソ面白くない本を読んでみるのもいい」

「昨日までの普通の自分ならやらなかったことを今日からやってみろ」

「現実なんて見るな」

「他人の言う現実はお前たちにとって常に間違っている」

「お前たちの現実は、お前たち自身の手で造るものだからだ」

「お前たちが自分の現実を疑うことなく積み重ねていったら」
「絶対に魔法が使えるようになる」

電波教師

「魔法使いにになったお前たちの前には、どんな壁も意味がねえんだ!」

そして、発表された投票結果。

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勝敗自体は予想していたものの、その結果は予想外。

電波教師
子供というのは時に残酷。

勝負を終えた後、テキトーなこと言って騙して、そこまでして勝ちたいかと古居がくってかかってきた。

「騙してねえよ」

「俺はただ、今のあいつらならまだ自分の魔法を疑わずに、本物の魔法使いになれると思っただけさ」

古居は生徒を子供だと侮り、自分が良いと思うものだけを押し付けた。
鑑は生徒を可能性だと想い、生徒たち自身が自ら未来を選ぶきっかけを提供した。

「S」の生徒たちに求められる教師の資質は、プレゼンの前の本選びの段階で決まっていた。

古居
「く・・・負け・・・」

「てない!!」

まだ勝負は終わっていないと息巻いている古居。

とりあえずは勝負は終わり、教師・鑑純一郎が復活した日だった。

感想

これは意外にも深い話になりましたね。
ストーリー上、なんとなく鑑がいいこと言ってる感じになりますが、これはちょっと難しい問題です。

最後は生徒の心を掴んで盛り上がり、本を投げて会場を沸かせた。
まるで、何かの学生運動。
独裁政権から解放され、一つの国が独立した瞬間のような光景だ。

だが、それははたして本当に子供のためになるのでしょうか。

現実と妄想を区別すれば夢はなくなる。
確かにそれはそうだし、その後に、その妄想があったから今の文明があるんだという話をすることも予想していました。

しかし、それを小学生相手に教授することはどうなのだろうか。
そこは古居が正しいと思う。

早い話が、魔法を現実のものとするためにはあらゆる可能性を考えるユーモアが大切だと言いたいのだろうが、それは、ある程度の学識と経験がある上での話。
そんなことを小学生に言ってしまえば、「やりたいことをやってみろ」としか伝わらない。

それを実現するためには何が必要なのか?
それが古居の言う『学』であり、最低限その土台を固めていないと、いくら飛び抜けた妄想を抱いてもそれは実現できない。

ましてやそれを、「誰でも可能だ」と言ってしまえば、いますぐにでも思ったことは全て可能なことなんだと勘違いさせてしまいかねない。
「やりたいことをやれ」は社会人になりたての若い人たちが聞けば、モチベーションがあがり、夢に向かって走る活力ともなるが、それを小学生に言ってしまうと、鑑の言う「やりたいことをやれ」はただ「やりたい放題していい」という間違った伝わり方をする可能性がある。

大人の立場からすれば、それはもちろん「可能な範囲で、社会的秩序にのっとった上で」ということは言われなくてもわかるが、子供にはその言葉をきちんと付け加えてあげないと、言った言葉をそのまま捉えてしまう。
それほど子供の教育というのはシビアで、言葉には気をつけたほうがいい。

勝負には負けたが、古居は何も間違ってはいないし、魔法を現実のものとするためには必要なことを話したまでである。

この作品を読んでまだ2話だが、まさかここまで複雑な教育論を繰り広げるとは予想はしていなかった。

これが、サンデーで連載され、アニメとして放送される・・・。
う~ん・・・どうなのだろう。

話の構成上、鑑はあくまで「S」クラスの生徒たちにそういった未来の可能性を捨てないで欲しいという意味で言ったのだろうし、そのことは理解できるが・・・。
これを見た子供はどう思うのか・・・。

小学生くらいの子供たちは、あまり難しい話は記憶に残らないし、その中でも自分に都合のいいところだけをかいつまんで、自分の勝手な解釈をしてそこだけ印象に残る。
あまり、抽象的な表現は避けて、もっとはっきりとした、わかりやすい言葉で投げかけてあげないと、危険な部分があるように感じた。

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